| 赤井風車小屋 | ここは赤井風車の個人サイトです。リンクフリー。 ☆ 4/20 サンクリ39に参加します。Bホール/ク18bですよ〜。5/5コミティアも参加予定。 |
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■ このイラストノベルについて
このお話は、架空のMMORPG『アカシック年代記』を舞台にした、 狩りあり戦争ありPvPありな感じのオンラインゲーム物のノベルです。 ■ あらすじ 高校生の勇介は、幼なじみの同級生中川深衣(なかがわみい)に、とあるネットゲームを薦められる。 軽い気持ちで始めたものの、どっぷりとハマりこんでしまう。 勇介は様々な人と知り合い、ギルドを作り、抗争や大規模な戦争などに巻き込まれていくのだった。 ■ 登場人物 □勇・・・(筒中勇介)主人公。 □みい・・・(中川深衣)勇介の幼なじみでお隣さんの同級生。中野区の豪邸にひとり暮らしをしている。 □旋空(せんくう)・・・ギルド「サイクロン」の盟主。女クレリック。勇とみいの初期の狩り仲間。 □シリアルキラー・・・ギルド「クレイジーファントム」の過激派。「サイクロン」にPvPを仕掛けてくる。 □Deeper(ディーパー)・・・ギルド「クレイジーファントム」の過激派。シリアルキラーと親交。後にPK専門ギルドを設立。 |
ヴァーチャルとリアルが交錯するこの世界で →<<第2話>> 第1話 わたしを月につれてって 1 2001年、冬。東京都中野区も寒かった。 俺、筒中勇介(つつなかゆうすけ)は聖修大学付属高校2年生の17歳。大学付属高なので、エスカレーター式に大学へと 行ける。成績も中の上だし、このまま波風立てずにおとなしくやっていけば、確実に付属大学へと行けるだろう。 そんな折、お隣に住む俺の幼なじみ、中川深衣(なかがわみい)が、「おもしろいネットゲーム見つけたからあんたも始め なさい」と勧誘してきた。誘うというよりも半分命令といった感じだろうか。まあ、俺もネットの申し子と言われた男なので、 オンラインゲームのひとつもやった事がないというのはいかがなものかと思い、早速公式サイトからゲームをダウンロード、 必要環境もOK、インストールして始めてみた。それが『アカシック年代記』との最初の出会いだった。 「キャラクターネームは・・・・・・勇(ゆう)でいいかな。種族はハーフエルフと。これでスタート」 勇(ゆう)という名前のハーフエルフで始めた事を携帯メールでみいに伝える。その間にゲームは読み込まれ、モニターに は序々にアカシック年代記のワールドが露わになっていった。 ・・・・・・衝撃だった。不安を掻き立てるようなBGMとともに、真っ暗な森にひとり、ポツーンと立っている。暗闇に覆われ た森を照らす、まばゆいばかりの一本の樹・・・・・・見上げると巨大な樹の上に村が展開されていた。村から光が溢れ出し、かな りの人数が移動したり会話したりしている。樹上(じゅじょう)で展開されるこの光景を眺めながら、ただ呆然とするだけだ った。 「おーい、聞こえる?」(ピンク色で表示) ピンク色の文字がチャット欄を躍る。画面の下のほうにウィンドウが開いている。そこにチャットや攻撃などのログが表示 されるようだ。 「これは遠距離でも通じる、TELL(テル)って言われてるチャットね。個人の間だけ聞こえるの。ピンク色で表示されて いるやつよ。周囲の人に聞こえるのはSAY(セイ)。SAYは白文字で表示されるから。入力は、TELLの後に名前を打 ち込んで、その後半角スペース打ってから何か打ち込んでみて」 俺は言われるとおりに打ち込む。「おーい」おお、ピンク色の文字でチャットが出た。どうやら上手くいったらしい。続け て入力。「みい、どこ」 「いますぐそばまで来てるよ。そろそろ見えると思う」 本当に見えてきた。魔法使いが着るような真っ黒なローブと帽子を被った女キャラが。種族は人間っぽい。小柄で、髪型は 前髪ぱっつんのロングヘアー、いわゆる姫カットだ。髪の色は彩度の高いオレンジ色をしていた。 「おまたせー」 「みい?・・・・・・なんか髪の毛凄い色なんですけど。どこの子ギャルかと・・・・・・」 「子ギャルで悪かったわね。オレンジ色かわいいじゃない。好きなの。明るくてサイコーでしょ」 「そうですね、とっても明るいと思いますです」 よく見たら、目も赤かった。髪の毛オレンジ色で目も赤いってどんだけー。まあ、こんなとこでみいをからかってもしょう がない。そんな俺のキャラの外見は、平均的な身長のハーフエルフで、黒髪のショートヘアー、やや耳が長い。鎧はまだ無く、 ボロい布の服を着ている。といっても職業でクレリックを選択しているので、将来的には鎧よりもローブを着る機会のほうが 多いだろう。 「なんかダガー1本しか持ってないんですけど」 「短剣1本で冒険に飛び出すなんて、まさにロマンじゃない。短剣だけに探検みたいな」 しょうもなー。なんでこうボケ合戦みたくなるのだろうか。ツッコミ役がいないからだろうか。こんな調子で誰もツッコミ をいれない、というのが俺とみいの日常だった。 2 翌日、学校を出たところで中川深衣(なかがわみい)が待ちかまえていた。 「昨日はおもしろかったわね」 みいはクスクスと楽しげに笑った。 「勇介ってば、オーガに追いかけられてヒイヒイいってたし。30分くらいオーガを引きずり回してたわね。わたしもずっと 魔法撃ってたけど、なかなか死なないわね。ほんとタフだったわー」 「ダガー1本しか持ってないクレリックに出来ることといったら、引くくらいしか・・・・・・」 「いや、見事なPULL(プル)だったわよ。浜辺まで誘導して、他の敵引っかけないようにグルグル上手く回ってたし。 nicepullって言ってあげる。ただ、火力がちょっと足りなかったわね」 みいとは幼なじみで、家も狭い私道を挟んで真向かいである。なんの因果か、俺の部屋の真向かいがみいの部屋だった。真 向かいなので、カーテンが開いていれば丸見えである。作り話のような話であるが、事実である。幼なじみの部屋が真向かい に!なんてファンタジーは、この広い世界では意外にもよくある事だったりするのだ。といってもカーテンが開いたままなん てミスをみいが犯すわけもないのだが。常に閉じたままの開かずのカーテンである。俺はこれを鉄のカーテンと命名している。 子供のころからとにかく鼻っ柱が強いみいに、俺は振り回されっぱなしだった。荷物持ちやらパシリやらは当たり前。言う ことを聞かなければすぐ癇癪(かんしゃく)を起こす。報復として俺の部屋から非常にプライベートな書物を持ち出し、女子 専用の化粧室でさらしものにする、なんていう事もしょっちゅうであった。俺の部屋に無断でみいを上げるうちの親にも問題 があるが。学校から戻る前に先回りして、勉強会などと称して部屋に上がり込んでいるのだから、幼なじみとは恐ろしい。 このような事がたびたび起きていたので、同級生の女子からは「ヘンタイ君」などという不名誉なあだ名まで付けられてい た。見た目はそんな悪くないと思ってるのに!みいのイメージ戦略には脱帽である。 「昨日は結構レベルあがったわね。勇介はヒールも覚えたし」 「うんうん、レベル10になってやっとヒールの魔法使えるようになったよ。ようやくクレリックらしくなってきた」 雑談に花を咲かせながら、コミュニティバスのバス停へと向かう。このバスは中野区を縦断する路線で、周辺の住人にとっ ては非常に便利なバスである。俺とみいはこのバスで通学していた。通学時間はわずか10分である。 「今日も帰ったらさっそく冒険の旅に出ますか」 バス停まで辿りついたところで、みいニヤニヤしながら言った。 「今日は月まで付き合ってもらうわよ」 |